ニコニコ動画と政治演説の相性

凄い動画来ました。Youtubeからの転載のようですがまさにニコニコ動画の有効活用と言えるもの

2/8 派遣法改正し"労働者保護法"に 志位委員長が質問/衆院予算委員会
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2282677 (権利者削除)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2347716 (権利者削除)

ニコニコ動画国会中継の相性が素晴らしい動画です。志位氏の質問のやり方も凄いのですけれども、ニコニコでコメントでヤジやツッコミや禿同をしながら見るっていうのは本当に楽しいというか、51分間があっという間に過ぎ去っていきます。

志位演説の調子とニコニコ動画との相性

志位委員長の演説は本当にニコニコ向きですね。非常に聞きやすい論理と論調で、対戦相手となる福田総理大臣や舛添総理大臣(理由は動画を見れば分かりますw)の、あまりにも緊張感もメリハリもない答弁に比べて、志位さんの質問論調の明確さが目立ちますね。

そのせいか、ニコニコ動画のシステムとの相性も大変良いものになっています。以前小沢一郎氏が動画投稿したときは物凄い荒れ方をしたのですが、今回の志位委員長の動画は反論者は居ても荒らしもいず、賛同者も極めて多い、大変有意義な使われ方になっていると思います。

それにしても、この志位さんの演説は凄いです。この人はこのときなんか物凄いものが憑依しています。もう50分があっという間に過ぎていく、まさに「圧巻」としか言いようが無い議論。

ネットやリアルでの「プレゼン」のお手本として志位演説を学ぶ

今回の志位委員長の代表質問は、「公開討論」それも「専門家でない多数の人の前で行う公開討論」の中でのやり方として、恐ろしく上手なプレゼンを行っていると思います。

  • 常に「誰にでも分かる言葉」を使って論理を展開し
  • 相手の言質を、「誰にでも分かる言葉」で取りながら
  • 相手の発言、言動の矛盾や不合理を、「誰にでも分かる言葉」で突き詰める

まさに「議論のお手本」とでも言うべきやり方です。特に、この「問題の本質を、誰にでも分かる言葉に置き換えながら論理を突き詰める」というのは、本当に難しいことです。殆どの分野においても、普通は専門性が高く複雑な問題というのは「ルー語」が飛び交うものなのです。ルー語が飛び交い、単調な主張に終わり、「中の人」以外には全く論点がつかめないケースが多いのですが、志位さんの代表質問にはルー語が全く存在しないというのが本当に凄い。「誰にもわかりやすい言葉で、本質を外さずに論理を突き詰める」という難易度の高い議論のやり方を堂々としています。

そして、そういう議論をする人の演説や映像というのは、ニコニコ動画に非常に相性がいい。なにしろ見ている人はみんな「素人」だから、素人にも分かり易く、一つ一つの論理が端的で短く、論理の流れが分かり易いというのは、コメントで突っ込みをする側にもコメントのやりがいがあるというものです。ニコニコ動画との相性がいいということはつまり、プレゼンテーションの内容としては「日本人相手にしたケースでは非常に相手の心に届き易い」という事を実は意味しています。

ネット時代のプレゼンテーションはどうあるべきか、どういうプレゼンや論理の展開の仕方がネット時代ではウケがよく観衆にに受け入れられやすいのか、聞いてもらいやすいのか。志位さんの国会質問動画は、政治的演説という枠を越え「デモンストレーション」「プレゼンテーション」という大きな枠としての非常に良い見本となっている映像だと思います。

自分は技術系の人間で、こういう政治的議論というのは縁がない人間ですが、やはり「プレゼンテーションの見本」ということで、スティーブン・ジョブズとはまた違った「日本人のプレゼン上手」として、この動画は大変参考になりました。

とかいいつつ・・・・

なんか凄い勢いで削除されてます。
それにしてもこの動画って、衆議院予算質問の映像なのに、誰が消しているんでしょう。権利者削除らしいのですが、権利者って誰だろう・・・。